レイスは王家ではなく、8家のうちの1家という考察
グリシャの父親が語る歴史と、ダイナ・フリッツが語るソレとは違っている点が多い。だが「フリッツが王家」という点については、どうも一致しているようだ。
ちょっと待て。
壁内ではフリッツは偽の王であり、レイス家こそ真の王家となっている。これは一体どういうことなのか。
「壁内において表立つのを嫌い、フリッツ家がレイス家と名を偽っている」
この可能性は確かにある。というか、こう考える方が自然なのかもしれない。
だが、引っかかる点が1つある。
↑の記事でも書いたが、9つの巨人の内1つだけが明らかになっていない。そして、その1つが壁内にある可能性が高いのではないか。と、私は思っている。実はこの1つ、レイス家なのではないかと疑っているのだ。
「レイス家長がフリッツ王を喰いレイス王になった」という仮説
ここから書くことは、まだ仮説も仮説なので恐縮だ。と言いながらやっぱり書くのだが……。
「壁内に移ったのは、フリッツ王家(の一部)とレイス家。その後、レイス家長がフリッツ王を喰いレイス王になった」
という仮説だ。
話の流れはこうだ。
巨人を持つ8家のうちの1家であるレイス家長は、破壊的な平和主義者だった。完全な平和を理想に掲げていた。だが、現実はどうだ。8つの巨人を分けた家同士では争いの絶えない日々が続いている。昔からずっとだ。フリッツ王家が「始祖の巨人」を呈することでなんとか均衡を保つことができている。しかし、それでもこの有様なのだ。このままでは、完全な平和が訪れる未来など期待できないだろう。
マーレは、このレイス家長の狂信的な思想に光を見出した。この破壊的な平和主義者を利用するのだ。レイス家の持つ巨人の能力は、記憶の改竄である。この能力を、次期フリッツ王となる145代目に使わせる。そうして、次期フリッツ王を洗脳するのだ。
始祖の巨人は、他の巨人すべてを支配し操ることができる。145代目が始祖の巨人を引き継いだ暁には、その能力をレイス家以外の7つの巨人に使わせよう。7つの巨人をマーレ側の手駒としてしまうのだ。
そして、フリッツ家とレイス家はパラディ島に移る。楽園を築くために。ユミルの民の一部は残しておかなければいけない。なぜなら、人類以外の強大な敵の存在があって初めて完全な平和が実現するのだから。マーレには、マーレに残したユミルの民を無知性巨人にし、パラディ島に供給してもらう。壁内がマーレに干渉することはない。なぜなら、レイス家長は小さな壁内に完全な楽園を築ければそれで良いのだから。パラディ島に壁を作り、仕上げにフリッツ王を喰う。自分たちが壁内の王家となれば完成だ。
この仮説のツッコミどころは多いだろう。だから、仮説も仮説なのだ。ご容赦願いたい。
ただもし、この仮説が正しければ。
壁内には、フリッツ家の持つ始祖の巨人とレイス家の持つ記憶改竄の巨人の2つが存在することになる。つまり、これによって9つの巨人全てが揃ったことになる。
フリーダは、始祖の巨人という絶対的能力を持ちながらもグリシャに喰われた。練度の低さがその理由だとロッド・レイスは言う。だが一方、フリーダとクリスタの場面。記憶の改竄能力については、十分コントロールができているように感じる。始祖の巨人の絶対的能力をコントロールできるのがフリッツ家のみだとしたら?(ただこの場合、レイスはフリッツ家の血が入った子を産めば良いだけか)
アッカーマンは王家の懐刀だった。王家とはもちろんフリッツ王家だ。レイス家が王家を乗っ取ったことを、アッカーマンが認めないのは当然だ。そして、完全な平和の実現を目指すレイス家が、そんなアッカーマンを根絶やしにしようとしたのもまた自然な流れなのではないか。