クリスタ・レンズは大地の悪魔なのではという考察
86話。最初読んだときには何の疑問もなく、リンゴを持っている女の子を「ユミル・フリッツ」として私は見ていた。そうすると、当然怪物っぽい方が「大地の悪魔」。言うまでもなくリンゴの女の子より、俄然悪魔っぽい。
しかしこれは作者のトラップではないかと、私は思うようになった。
もしかすると、怪物が「ユミル・フリッツ」、リンゴの女の子が「大地の悪魔」なのではないかと。
クリスタ・レンズ(ヒストリア・レイス)は、13巻でこう言っている。
クリスタは、私が生きるために与えられた役で…たしか…子供の頃読んだ本の女の子だった…はず
クリスタが子供の頃読んだ本の女の子は、リンゴを持っていて、横にはやはり怪物っぽいのがいる。
恐らくは86話のリンゴの女の子と同じだろう。
私の仮説が正しいとする。そうすると、この絵の両者は「ユミル・フリッツ」と「クリスタ・レンズ」となる。
ユミルとクリスタは契約を結び、ユミルは巨人の力を手に入れる。
(この契約というものが、具体的に何を指すのかはまだ分からない。ので、一旦置いておく。)
ユミルの死後、9つの巨人が誕生した。そして、古代の大国マーレを亡ぼし大陸の支配者になった。マーレの歴史ではこうなっているらしい。
すると、このクリスタという女。マーレからはどう映るだろうか。この女がユミルと契約さえしなければ、巨人の力が大陸に現れることはなかった。マーレが亡ぼされることもなかった。そう、このクリスタという女は悪魔だ。この大地の悪魔だ。
反対に、ユミルの民からクリスタを見る。
このクリスタという女の子の存在がなければ、我々の祖先「ユミル・フリッツ」が巨人の力を手に入れることはなかった。当然、その後のユミルの民の繁栄もなかったはずだ。神だ。クリスタは我々の女神だ。
ユミルのヒストリアへの執着と献身。それは、この物語の存在も大きく関係しているのではないだろうか。10巻においてユミルはこう言っている。
(ヒストリアに対し)お前、このまま死ぬつもりだったんだろ?そんで、私に女神クリスタ様の伝説を託そうとしたんだろ?いや、これは考えすぎか
女神クリスタ様の伝説というのは、皮肉を言っているだけなのだと思っていた。が、こうなってくると、皮肉だけではなかったのかもしれない。
また、ユミルはヒストリアと自分の生い立ちが似ているような発言をしている。マルセルを喰うまで、ユミルは60年ほど無知性巨人として彷徨っていた。ではその前は?マーレが支配する壁外にいたのではないか。そして、マーレにおいてユミル(恐らくは、ユミル・フリッツ)を名乗ることがどういうことだったのか。↓のセリフの意味がこうして判明するのだろう。
クリスタ…私もだ。自分なんて生まれてこなければ良かったと思ってた。ただ存在するだけで世界に憎まれたんだ。
さらに、仮説を進めてみる。
ユミルはヒストリアに対し、元の名前を名乗るように強く言っている。自分はユミルという名前を変えていない。ユミルとして生まれたことを否定したら負けなんだ。だから、クリスタも元の名前(ヒストリア)で誇りを持って生きろ。
確かに意味は通じる。しかし、今回の仮説が正しいのなら。また、別の意味が生じるのかもしれない。
「クリスタという名で壁外に出れば、大地の悪魔として悲惨な未来が待っている。だから、ヒストリア・レイスという元の名前を名乗るべきだ」
ユミルは壁内には未来がないと思っていた。だからこそ、なんとしてもヒストリアを壁外に助け出そうとしていた。ヒストリアを壁外に救い出した後のことも当然考えていたのではないか。
仮説と妄想の境界は難しい。もはや仮説なのか妄想なのか分からないが、もっと先に進めてみよう。
↑の記事でも仮説を書いた。
もし、↑の仮説も正しいのであれば。レイス家は、マーレの繁栄の功労者であるはずだ。ますます、クリスタ・レンズではなく、ヒストリア・レイスでなければならない。
最後に、完全な妄想を1つ。
案外、マーレの玉座に座っているのもレイスだったりして。しないかw