カルライーターは座標の発動条件ではない?!
まず最初に結論を。
「カルライーターは、座標発動の必要条件ではない。しかし、座標発動の助けになった可能性はある」
これが、現時点での私の考えである。
___このように思う理由を説明していきたい。が、その前に前提として触れるべき問題がある。それは、カルライーター=ダイナ・フリッツかどうかということだ。
カルライーターはダイナ・フリッツなのか
これも結論から言ってみる。
「まだどっちか分からない。可能性は高そうだけど」
なんとも煮え切らない答えで申し訳ない。
確かに、カルライーターとダイナ・フリッツの顔は似ている。それだけではない。他のエルディア復興派メンバーと、初期に出てきた無知性巨人の顔がそっくりであること(これは、同一人物と断定して良いレベル)。さらには86話時点で、ダイナ・フリッツを含むエルディア復興派が楽園送りになっているだろうと思われる点だ。
可能性は十分だと思う。だが、断定できるまでの根拠はまだない。と、私は思っている。いや、断定しても良いのかもしれないが、ただ感情的に単純に顔が似ているというだけで決めたくないのかもしれない。
カルライーターは座標発動の必須条件ではない
なぜ、カルライーター=ダイナ・フリッツかどうかを前提として論じる必要があるのか。それは、カルライーターがフリッツ王家であるかどうかが重要なポイントだからだ。エレンはフリッツ家の血を引き継いでいない。しかし、フリッツ家であるカルライーター(=ダイナ・フリッツ)に触れることで、座標の力を発揮することができたという説があるからだ。
ただ、これについては一旦明確に否定しておきたい(ちなみに、「一旦」と書いたのは最後に若干ちゃぶ台を引っくり返す予定だからだ)。というのも、3巻でのグリシャのセリフを見て欲しい。エレンに巨人化の注射をうつ前に言ったセリフだ。
ミカサやアルミン…みんなを救いたいなら、お前はこの力を…支配しなくてはならない
グリシャの言うこの力は、恐らく座標の力だろう。壁の中に未来はないと確信していたユミルが、エレンの座標の力を見て考えを改めたことからもそう推測できる。しかし、エレンがカルライーターに遭遇したのは意図してのものではない。全くの偶然なのだ。もし、カルライーター(=ダイナ・フリッツ)に触れることが座標発動の必要条件であるのなら、グリシャは思いっきり偶然を頼りにしてエレンに力を託したことになる。それはさすがにオカシイだろう。
カルライーターは座標発動の助けにはなった
ただ最初にも書いたとおり、カルライーターが座標発動の助けになった可能性はおおいにある。と、私は思っている。それは、フリッツ家かどうかといったこととは関係がない。カルライーターが、その名のとおりエレンの母カルラを喰った巨人だからだ。
どういうことか。以前少し触れたが、知性巨人には意識(意志)の力が非常に重要だと私は考えている。
エレンの尋常でない意志の強さは、物語の中で度々表現されている。キースの『人一倍強い目的意識を持つ』とか、ハンジの『あの反抗期の化身のようなエレン』とか。あとは、リヴァイのこれだ。
俺にはわかる。こいつ(エレン)は本物の化物だ。「巨人の力」とは無関係にな。どんなに力で押さえようとも、どんな檻に閉じ込めようとも、コイツの意識を服従させることは、誰にもできない
つまり、座標の発動には、血というよりもむしろ尋常でない意識(意志)の方が重要になるのではないか。と、私は思うのだ。
エレンは、母親が目の前で巨人に喰われるところをタダタダ見ることしかできなかった。そして今度も、ハンネスが同じ巨人に喰われているのだ。まるで無力だった、幼きあの頃と違っていたはずなのに。なのに、それでも自分はこんなに無力なのか。絶望。笑い叫ぶほどの絶望。そこに、ミカサのあのセリフである。エレンの中に、今まで以上の意識が芽生えたのではないだろうか。
ちゃぶ台を引っくり返す
「カルライーター(=ダイナ・フリッツ)に触れることが座標発動の必要条件であるわけない」と書いた。しかし、ちゃぶ台を引っくり返そうと思う。ここまで書いておいてなんだが。
ミカサやアルミン…みんなを救いたいなら、お前はこの力を…支配しなくてはならない
先ほど書いたこのグリシャのセリフには前段がある。
そしてこの鍵を見るたびに思い出せ…お前が地下室に行かなくてはならないことを…
だがいつか地下室に行けば真実が分かる…辛く厳しい道のりだがお前はウォール・マリアを奪還して地下室に辿り着かなければならない…この「力」はその時役に立つはずだ。
グリシャは、まず地下室に行けとエレンに言っている。もしかすると、あの地下室の記録の中に座標発動の条件が記されているのかもしれない。カルライーター(ダイナ・フリッツ)を探し触れる必要があると(写真もあるし)。
記事を書き始めたとき、この可能性はないだろうなと思っていた。しかし、物語的にはもしかしたらそういう展開の方が面白いかもしれない。なので、この可能性もあるのではと思い直した。