楽園送りは、始祖の巨人を手助けしている?
進撃の巨人86話。ここで初めて楽園制度の存在が明かされた。そしてこれにより、壁外の無知性巨人たちが、実はマーレのユミルの民たちだということが分かった。
しかし、この楽園制度は明らかにオカシイ。と私は思う。なぜ、無知性巨人をわざわざパラディ島に送る必要があるのか。
楽園制度にマーレのメリットはない
そもそも。始祖の巨人には、全ての巨人を統べる力があるとされている。であれば、始祖の巨人の領域であるパラディ島に巨人を送るという行為に、マーレのメリットは全くない。
それどころか、もし始祖の巨人の考えが変わったらどうするのか。再び世界の統治者たらんとすれば、パラディ島に送られた巨人たちは、エルディアにとってむしろ戦力となるはずだ。
現に。フクロウの情報では、フリッツ王はこう言い残している。
「今後我々に干渉するなら、壁に潜む幾千万の巨人が地上のすべてを平らにならすだろう」
下手をすればマーレが危機に陥る
幼きグリシャに投げられた言葉。
「たとえガキでも外で腕章を外したエルディア人は楽園送りだからな」
「そんなに父さんと母さんと一緒に楽園に行きたいのか?」
人喰い巨人としてパラディ島を永遠に彷徨うことは、確かに死刑よりも辛いのかもしれない。だが、それにしてもだ。やはり、下手をすればマーレが危機に陥ることを手助けするような政策だろう。マーレ政府が、他の狙いもなくこんな手を打つとは考えにくい。
始祖の巨人からすれば、この楽園制度のメリットは大きい
確かに、マーレ側から見ると楽園制度はメリットが薄い。どころか、デメリットの方が大きい。だが、エルディア側、もっと言えば始祖の巨人からすれば、この楽園制度のメリットは大きい。
始祖の巨人は破滅的な平和思想の持ち主だった。完全な平和が実現するにはどうすれば良いのか。
その時に誰かが言ったそうな。もし…人類以外の強大な敵が現れたら、人類は一丸となり、争い事をやめるだろうと…
3巻のピクシスのセリフだ。これは伏線だ、と私は思っている。この誰かこそ、始祖の巨人ではないかと。
つまり、壁の外に絶対的と思える敵が存在するとき、壁内の世界には完全な平和が訪れる。そして、マーレの楽園制度は、むしろこの手助けをしている。と、私は思うのだ。
なぜマーレはこのような楽園制度を続けるのか
では、なぜマーレがこのような楽園制度を続けるのか。もちろんマーレ側にもメリットがあるからだろうが、明確な答えはまだ分からない。
↑でも書いたが、マーレで伝えられている歴史にもダイナ・フリッツの言う歴史にもまだまだ疑問点は多い。