英雄へーロスの役を担うのはファルコ
このままではマーレに明るい未来はない。
「進撃の巨人」97話より
テオ・マガトがヴィリーに言ったように、マーレは着実に自壊の道を歩んでおり巨人大戦後の世界秩序が崩れようとしているのは明らかだ。
そしてヴィリーが自らの演出により、新しい秩序を作り出そうとしていることもまた明らかである。
「このままではジリ貧のマーレ人とエルディア人の運命をなんとかする」
これがヴィリーの目的であるように、少なくとも↓のセリフからは感じられる。
「進撃の巨人」98話より
「マーレ人とエルディア人の運命がなんとかなる」
ための新しい秩序とは何なのだろうか。
ということで今回私は以下の条件を考えてみました。
- 「平和への反逆者」エレンが悪の化身であり、必ず排除しなければいけない存在であると世界中の人間が強く感じること。
- そのエレンを倒すためにマーレ人とエルディア人が世界を代表し、命を賭してパラディ島に戦いに行くこと。
- エレンを倒す英雄が、知性巨人を持っていないエルディア人であること。
- この世から実質的に巨人がいなくなること。
1つずつ説明していきたい。
1.世界中の人間がエレンの排除を願う
まずマーレが自分たちの戦力の大部分をパラディ島に向けるためには、マーレ以外の国の賛同が必要だ。
だってそうじゃないとマーレがパラディ島でドンパチやっている隙に、他国が憎きマーレを攻めてしまうかもしれないから。
これは恐らく「エレンを悪の化身に仕立て上げる」というヴィリーの演出によって成功するものと思われる。
実際どうやってエレンが世界中の敵となるかは分からないが、以前の記事でも書いたとおり(↓)エレンの手によってレベリオ収容区が血の海となる(またはそのように映る)展開がこれからあるのではと私は思っている。
追記2017/11/16
「エレンを悪の化身に仕立て上げるヴィリーの演出とは、自らをエレンに喰わせる事の様な気がしてきました」
というコメントをsepさんから頂戴しました。
これ相当アリな展開だと私も思います。
しかも記念すべき100話でこんな展開にでもなったら、衝撃がスゴいでしょうね。
2.マーレ人とエルディア人が世界のために命を賭ける
1の演出が成功すれば、エレンを倒すことが世界中にとっての最優先課題になるハズだ。
そうすれば次に必要なのは「マーレの徴兵制復活」と「マーレ軍トップたちの粛清」ではないかと私は見ている。
ヴィリーが言うように、長い間マーレは巨人戦力を使って他国を虐げてきた。
エルディア人ほどではないかもしれないが、マーレ人が世界中から向けられている敵意も相当なものだろう。
だからこそマーレ人はパラディ島に戦いに行き、世界のために巨人に喰われなければならないのだ。
マーレの徴兵制復活である。
そしてそのマーレ軍を率いるのはマガトだ。
これまで世界を虐げてきたマーレ軍のトップたちは皆いなくなるだろう。
これからレベリオ収容区を舞台にまき起こる事件によって、トップたちは皆殺されるのではないかと私は見ている。
新生マーレ軍を率いるマガトの仕事は、マーレがこれまで他国に行ってきた過ちの責任をできる限り以前の幹部に押しつけることだ。
3.知性巨人を持っていないエルディア人が英雄になる
巨人大戦時には、エルディア帝国によって最も虐げられてきたとされるマーレ人から「英雄」へーロスが輩出された。
今回もこの図式が使われるべきだ。
つまり今もっとも虐げられているエルディア人から英雄を出すことによって、エルディア人の地位を上げなければならない。
そしてその英雄は知性巨人の持ち主であってはならない。
もし知性巨人の持ち主が英雄になってしまったら結局それは巨人の力ということになり、エルディア人から巨人のイメージを切り離すことができないからだ。
私はこの英雄役をファルコが担うのではないかと思っている。
少なくともエレンはそのように事を進めようとしているのではないか。
最新99話の時点では、地下など舞台から離れているのは物語の重要人物ばかりである↓
- (戦槌を除く?)知性巨人の持ち主たち(エレン、ライナー、ジーク、ピーク、ポルコ)
- ヒィズル国アズマビト家キヨミ
こう考えるとファルコは唯一の例外のように思える。
そしてそのファルコは、エレンによって意図的に舞台から遠ざけられたようにも見える。
「進撃の巨人」99話より
また、エレンはファルコに「君はいい奴だから長生きしてくれるなら嬉しいよ」と言っている(まあ根拠にならないほど薄くて恐縮だが)。
さらに穿った見方を続けると、そもそもマーレ編はファルコからスタートしている。
つまりスポットライトの当て方からしても、また戦いを嫌う性格、優しさと正義感を持つ素養からしても、実はファルコが英雄候補としては最適なのではと私は思っている。
4.この世から巨人がいなくなる
ただいくらマーレ人とエルディア人が世界のために命をかけ、悪の化身エレンを倒したところで、これまでのマーレのようにまた巨人の力がマーレに保持されるようなら意味がない。
そこで出てくるのが「この世から巨人がいなくなる可能性」である。
これに関しては以前にも書いたとおり(↓)、知性巨人全員の硬質化が解決策ではないかと私は妄想している。
この解決策は今だからこそ実現可能である。
知性巨人の存在は、たとえるなら核爆弾みたいなものだ。
世界からなくなることが望ましい。しかし現実的には不可能に近い。
知性巨人も以前なら各家が代々引き継いでいたため、皆が一斉にその力を放棄するなど考えもできなかったハズだ(もっとも、始祖の巨人の力をもってすれば可能だったかもしれないが)。
しかし今なら可能ではないか。
知性巨人の持ち主たちは皆、エルディア人の未来のために命を投げ出す覚悟はできている(唯一戦槌の巨人だけが謎だが)。
以上が今のところの私の考察である(ほぼ妄想になってしまいました、スミマセン)。
あと付け足しをするなら、エレンとジークの目的はほぼ一致しているものの、ヴィリーは別の目的を持っているといったような展開はありそうな気がしている。
エレンはそのことを知りつつも、ヴィリーのこの演出にわざと乗っかっているみたいな。
来月は100話ということもあり、かなり濃くなりですね。
どういう展開になるのか、今からとても楽しみです。