【121話のネタバレ考察】「あの景色(エレンとグリシャの見た未来の記憶)」は、地ならしに見せかけた壁の崩壊
先日、このようなツイートをしました↓
読み返したけど、やはり「あの景色」は「地ならしと見せかけた壁の崩壊」で合っている気がする。
— 「進撃の巨人」の謎が分かった (@edonopoh) September 11, 2019
正確にはグリシャにとっては恐怖の「地ならし」に見え、エレンにとっては自由の「壁の崩壊」に見えている。
ベルリンの壁とかもそうだけど、壁の崩壊は自由の象徴。
そして自由は、エレンが最も望むもの pic.twitter.com/PHYHxPv2Jb
実際、86話では「地ならし」に驚愕するようなグリシャの表情が描かれています↓
「進撃の巨人」86話より
で。
「『あの景色』は、地ならしに見せかけた壁の崩壊」という前提で、エレンがヒストリアの手にキスした以降を読み返してみたのです。
すると、エレンの心情が実にきれいに見えるように感じたのですね。
いや、コレはちょっと読み方が変わるなと。
それで書いてみようと思った次第です。
【目次】
- 4年前すでに、エレンは地ならしが未来に起きることが分かっていた
- 地ならしで、エレンたちは自由になれるのか?
- エレンは地ならしを望んでいない
- ジークの寿命にこだわるエレン
- ジークの秘策が事態を悪化させる
- 自由から最も遠い、強制的な絶滅
- エレンとヒストリアの密会
- 地ならしに見えた壁の崩壊=自由の象徴
- 最後に
4年前すでに、エレンは地ならしが未来に起きることが分かっていた
最新121話。
「あの景色」を見たのは、ヒストリアの手にキスしたときだとエレンは言います。
ちなみに、この手キスシーンは90話に登場するのですが、このときエレンが見た記憶として描かれていたのは「グリシャがフリーダを喰った」ところでした。
ということは。
このときエレンは、グリシャが進撃の巨人の特性を語っている場面も見たのではと思います。
進撃の巨人の特性。
ソレは「進撃の巨人は、未来の継承者の記憶を覗き見ることができる」です。
実際、エレンはこのときの様子を「見ただけではなく、そのときの感触も残っている(115話)」とジークに伝えているので、エレンは色んな記憶をかなり鮮明に見たのだろうと推測できます。
それに進撃の巨人の特性をグリシャが語ったとき、フリーダやジークが驚く中、エレンはすでに知っている様子でしたしね。
ということは、ヒストリアの手にキスしたあのとき、エレンは進撃の特性を知った。
そしてそのとき同時に見た「あの景色」が、未来のものだとも認識したハズです。
地ならしで、エレンたちは自由になれるのか?
同じく90話。
エレンは言います。
「(海の)向こうにいる敵…全部殺せば…オレ達自由になれるのか?」
「進撃の巨人」90話より
このシーンからも、エレンは地ならしを見たのではという匂いがします。
地ならしなら、海の向こうの敵を全員殺せるでしょうし。
でも「自由になれるのか?」です。はてなマークです。疑問形です。
エレンの迷いが感じられます。
このときのエレンの心情は、ハッキリとは分かりません。
地ならしをどうとらえているのか。
しかし。
少なくとも100話の時点では、エレンが地ならしを望んでいないことが分かります。
エレンは地ならしを望んでいない
100話。
ライナーとの語り合いの場で、エレンは言いました。
「確かにオレは…海の向こう側にあるものすべてが敵に見えた。(でも違った。)海の外も壁の中も同じなんだ」
「進撃の巨人」100話より
「あの景色(エレンの未来の記憶)」を見てからの、エレンの悩みは大きく2つあったハズです。
- 地ならしによって海の向こうにいる者を全員殺すことで、オレ(エレン)たちは自由になれるのか?
- 未来に地鳴らしが起きるということは、自分(エレン)はヒストリアを犠牲にしたということなのか?
しかし後者には、希望が生まれることになります。
ジークの寿命にこだわるエレン
106話。
ジークのパラディ島勢力への要求によって、エレンは気づきました。
「王家の血を引く者との接触で、始祖の力を扱える」という自分の仮説は、間違っていなかったことに。
そして地ならしは、ヒストリアとではなくジークとの接触によっても起こせることに。
「進撃の巨人」106話より
エレンの見た未来の地ならしは、ジークとの接触によって起きた可能性がある。
もしそうであれば、ヒストリアは犠牲にならずに済むということです。
ということで、ここからエレンはジークの寿命にこだわり出します↓
「進撃の巨人」106話より
当然です。
ヒストリアを犠牲にしたくない。
でも、未来に地ならしが起きることは分かっている。
未来の記憶の地ならしがジークの死後なら、相手は多分ヒストリアになってしまう。
エレンだけが見えている未来。
仲間たちには見えていない未来。
「時間が必要だ」というアルミンやミカサの姿は、エレンにはどのように映っていたのでしょうか。
エレンと仲間たちとの間にズレが生じてしまうのは、必然だったのかもしれません。
ジークの秘策が事態を悪化させる
107話。
エレンにとって、事態は悪化してしまいます。
ジークの明かした「秘策」が原因で。
「進撃の巨人」107話より
ジークの秘策どおりにコトが進むのであれば、ヒストリアを巨人化させることになるばかりか、ヒストリアは家畜のように子を産み続けなければならなくなる。
しかしハンジの言うとおり、エレンはジークの秘策に反対したものの、別の解決策を見つけることはできていませんでした。
自由から最も遠い、強制的な絶滅
思い悩むエレンに、さらなる絶望が襲いかかります。
イェレナとの密会によって、ジークの真意が「ユミルの民の安楽死」であることを知ったからです。
「進撃の巨人」115話より
つまりエレンからすると、ヒストリアを家畜のような目に合わせるだけでなく、希望であったジークの狙いが、自由から最も遠い「強制された不自由な安楽死」であることを知ったという話です。
エレンとヒストリアの密会
絶望の中、エレンはどうしたか?
この答えが「ヒストリアとの密会」ではないかと私は思っています。
120話の記憶のヒストリアの服装は、108話のものと似ている。もし一緒なら、ヒストリアと会ったのはやはりエレンということになりそうですね。#進撃の巨人 #120話 #ネタバレ #考察 pic.twitter.com/qSjwxvqzoA
— 「進撃の巨人」の謎が分かった (@edonopoh) August 9, 2019
どうもイェレナは手を後ろに回す派で、エレンはポケットに手を入れる派だな。
— 「進撃の巨人」の謎が分かった (@edonopoh) April 9, 2019
で、ヒストリアの場面で描かれている人物はポケット派。
もちろん実際の描写じゃないけど、116話でピークとのポケットの絡みも含めると、やはりヒストリアに会ったのはエレンかなと。#進撃の巨人 #116話 #ネタバレ #考察 pic.twitter.com/js9rZKAnhC
ここでエレンとヒストリアとの間にどのようなやり取りがあったのか、具体的には分かりません。
しかし結果的に、2人が性交に至ったというのが私の予想です↓
余談ですが↑の過去記事は、エレンとヒストリアは恋愛というより、目的のために結ばれたというテイストで書かれています。
でも今となっては、恋愛的な要素も最初からたぶんにあって、結果的にエレンは糸口を見出したという流れもあり得る気がしています。
話を戻します。
↑の過去記事でも触れたとおり、「ここでエレンは、世界の記憶を手にしたのではないか」と私は推察しています。
ちなみに、実際エレンが世界の記憶を持っていると考察できるポイントが、最新121話にありました↓
「進撃の巨人は、未来の継承者の記憶を見れる」ことを、グリシャはエレンの記憶から知った。
— 「進撃の巨人」の謎が分かった (@edonopoh) September 12, 2019
じゃあエレンは、フリーダもジークも知らなかったようなことをなぜ知ることができたのか。
エレンはヒストリアとの性交によって、世界の記憶を得たのでは?というのが私の予想↓https://t.co/07PhV1ujNi pic.twitter.com/2A4I9yvZH0
こうしてエレンは、自分が果たすべき答えに行き着いたのではないか。
その答えとは「ユミルの民を自由にすること」です↓
地ならしに見えた壁の崩壊=自由の象徴
エレンは海を渡ります。
そして自分の実体験としても、「壁の中も海の向こうも同じだ」ということを知ります。
つまりこのときにはすでに、エレンは「あの景色」を地ならしではなく壁の崩壊として捉えていたのではないか。
壁の崩壊=自由の象徴として捉えたのではないかと私は思います。
読み返したけど、やはり「あの景色」は「地ならしと見せかけた壁の崩壊」で合っている気がする。
— 「進撃の巨人」の謎が分かった (@edonopoh) September 11, 2019
正確にはグリシャにとっては恐怖の「地ならし」に見え、エレンにとっては自由の「壁の崩壊」に見えている。
ベルリンの壁とかもそうだけど、壁の崩壊は自由の象徴。
そして自由は、エレンが最も望むもの pic.twitter.com/PHYHxPv2Jb
そして、その実現のために行動しているのではないかと思うワケです。
最後に
長々と書いてしまいましたが、「『あの景色』は、地ならしに見せかけた壁の崩壊」というのは、現時点では予想に過ぎません。
でももし私の予想が合っているのなら、作者の諫山創さんはやはりスゴイなと。
少なくとも私にとっては、読み返しでこんなに新鮮な見方ができるマンガはこれまでありませんでした。
いやぁ、ホントすごいですね。