「悪魔」を軸に「進撃の巨人」を考察する
「悪魔」というキーワードが「進撃の巨人」の大きなテーマの1つであることに、異論のある方は多分いないと思います。
なので今回はこの「悪魔」について考えてみたいと思います。
「悪魔」には順番がある
ということで、まずはこのシーンから↓
ここでサネスは重要なことを示唆しています。
サネスのやってきたことは正義でした。しかし少し光の当て方を変えるだけで、その正義はとてつもない「悪魔」に映ります。
その圧倒的な「正義」でもあり同時に「悪魔」でもあることを、サネスは「こういう役」と言っているのです。
そして「こういう役」には「順番がある」と。
最初の悪魔「ユミル・フリッツ」
「進撃の巨人」における歴史上の最初の悪魔は「ユミル・フリッツ」でしょう↓
「ユミル・フリッツがなぜ大地の悪魔と契約をしたのか」その具体的な理由は、まだ明らかになっていません。
しかし恐らくは、彼女にとっての何らかの正義がそこにあったからでしょう。
こうして彼女はユミルの民の「女神」となり、それ以外にとっての「悪魔」となりました。
2代目悪魔「レイス」
次に歴史的な「悪魔」の役を引き継いだのは誰でしょうか。壁の王「レイス」でしょう。
レイス王は壁外の人類にとって絶対的な「悪魔」です。しかし同時に、壁内の人類にとっては「正義」でした。
そして過去記事↓にも書いたとおり「レイス家はもともとはマーレの人間だった」と私は疑っています。
つまり「エルディア帝国の支配を終わらせたい」と願ったレイスが、「始祖の巨人の力を封じ込める」ために、「自ら悪魔(ユミルの民)の血に染まることで実現を目指した」というストーリーです。
しかしこの「正義」もまた、歴史的には「悪魔」の役を代わりに演じたことに過ぎませんでした。その苦悩がレイス王を「罪人」として苦しめ続けたのではないでしょうか↓
3代目悪魔候補「エレン」
次の悪魔候補は「エレン」でしょう。
「グリシャとフリーダの最後のやり取り」の記憶が蘇ったことをきっかけに、すでにその兆候は出ているように感じます↓
そしてこの「悪魔の役回り」を断ち切ろうとしている人物が、エレンの兄「ジーク」ではないでしょうか。
ジークは恐らく全体的な歴史の流れを把握できているように思われます↓
ただ具体的にはまだ分からないものの、現時点ではジークの「終わりにしたい」には何か破滅的な匂いがします(しかし同時にエレンを救い出すとも言っているので違うのかもしれません)。
過去記事にも書いたとおり、この悪魔の断ち切り方は「破滅」ではなく「許し」であって欲しいと思う次第です。