エレンはカール・フリッツ145世の役を演じようとしている
以前サネスは「役には順番がある」と言った。
「進撃の巨人」55話より
ご存知のとおりサネスは脇役だ。
だがこのセリフは物語の主軸になってように私には思える。
ということで「救世の末裔」ことヴィリー・タイバーである。
彼も言う。
「たまたま順番が回ってきただけの男」だと。
「進撃の巨人」98話より
そう、彼は歴史的な演出をある意味「仕方なく」やらなければいけないのだ。
巨人大戦と同様の演出がまた繰り返される
最新99話「疾しき影」によって明らかにされたこと。
それは「世界中の人間が事実と思い込んでいた巨人大戦の歴史が、実は壮大な演出によるものだった」ということである。
役回りはこうだ。
「暗黒の王」カール・フリッツ145世。
「救世主」タイバー。
「英雄」へーロス。
そして演出を担ったのはフリッツ王(もしくはタイバー)である。
歴史は繰り返される。
ヴィリーの言う順番、
それは「巨人大戦と同様の演出がまた行われる」ということではないだろうか。
ヴィリーは「英雄へーロスの像」を見にきたと言った。
そこにはこのような意味合いも含まれているのではないか。
エレンはヴィリーの演出に乗っかっているのか
さてこう考えると色んな部分の辻褄が合う(ような気がする)ので、このまま筆を進めてみたい。
分かりやすいのはエレンだ。
タイバーはこう言った。
「平和への反逆者……その名はエレン・イェーガー」と。
つまり前回カール・フリッツ145世が演じた「悪の化身」。
この役を今回担うのはエレンなのだ。
そしてここで重要なポイントがある。
それは「エレンは分かっていながら平和への反逆者役を演じようとしているのではないか」ということ。
- なぜエレンはこのタイミングでマーレに来たのか……
- グローブとボール、手紙から窺えるエレンとジークのつながり……
- ピークが気づいた兵士への怪しさに、ジークが全く気づいていないことの違和感……
- ロッド・レイスが持っていた「ヨロイブラウン」……
これらを総合すると、エレンとヴィリーがつながっていたとしても不思議はないように思える。
レベリオ収容区で行われる本当の演出
私の現時点での考察はこうだ。
ヴィリーはエレンを「悪の化身」に仕立て上げようとしている。
しかしいくらヴィリーの発言とはいえ、世界中を納得させるにはイマイチ説得力に欠ける。
世界の要人たちでさえ、自分たちの信じていた歴史が作られたものだと今知ったばかりなのだ。
さらにエレンと言われたところで「誰やねんソレ」状態だろう。
そこで「百聞は一見に如かず」である。「論より証拠」である。
悪の化身には悪の化身にふさわしい行動をとってもらえば良い。
いま。ここで。
つまりレベリオ収容区のこの舞台を地獄絵図に塗りかえれば良い。
そしてこれこそがヴィリーによる本当の「演出」なのではないだろうか。
もし「平和への反逆者」エレンによって世界の要人たちが皆殺しにされたという事実を知れば、世界中の人々はどう思うだろう。
「悪の化身エレンめ。絶対に許せない!」
「このままではまた世界が黒く染められてしまう。一刻も早く始祖の巨人を奪還しなければ!」
これにてヴィリー・タイバーの演出第一幕は終了するのではないだろうか。
「進撃の巨人」98話より
ちなみに本当にレベリオ収容区を血の海にしなくても、世界中をうまく騙せる方法はあるのかもしれない(殺したフリとか)。
この先のヴィリー演出に関しては、また別記事にて妄想してみる予定です。