【110話ネタバレ】イェレナがマーレ兵の人権を譲らなかった理由を考察
最新110話。
ハンジはイェレナの行動の矛盾に気づきました。
イェレナは「あれほど義勇兵が疑われないように神経を使っていた」にもかかわらず「兵政権に反発してまでマーレ兵の人権を譲らなかった」のです↓
「進撃の巨人」110話より
そして私は、この矛盾をとく鍵が↓のシーンにあるのではないかと、今のところ感じていたりします。
「進撃の巨人」110話より
ということで、以下具体的に書いていきたいと思います。
マーレ兵のためではなく、パラディのため?
まず言えるのは「イェレナには、マーレ兵の人権を守る大きなメリットがない」ということです。
だって考えてみてください。
そもそもイェレナは、寝食を共にした仲間であっても躊躇なく殺してきた人間ですよ。
今さらマーレ兵の人権を守ったところで、何になりますか。
マーレから見ても、彼女(や他の義勇兵も)の罪がこのことで軽減されることはないでしょうし。
メリットどころかむしろ、大きなデメリットならあります。
そもそもイェレナは、パラディ勢力から疑われることがあってはいけませんでした。
彼女が反マーレ義勇兵であっても、本当はマーレ側のスパイであったとしてもです。
実際ハンジが「あれほど」と言うように、イェレナは自分たち義勇兵が疑われることのないよう、信用されるよう思いっきり神経を使ってきました。
そんなイェレナが、これまでの努力を水の泡にしかねないことを敢えてするでしょうか。
マーレ兵の人権ごときと引き換えに(ごときというのは言い過ぎですね)。
仮にイェレナがマーレのスパイだったとしても、これまでマーレ兵を躊躇なく殺してきた人間が何を今さら人権?みたいな話になりますしね。
そう、イェレナはデメリットこそあれメリットが見えないようなことをやったワケです。危険を冒してまで。
ということはつまり、イェレナには何か別に隠している理由があるんじゃないかという話になります。
実際ハンジも、そう感じて動き出したようですし。
ではその隠している別の理由とは何か。
実は対象が違うんじゃないかと、私は思っています。
イェレナはマーレ兵を守るために、マーレ兵の人権を譲らなかったわけではなく、パラディ勢力を守るためにマーレ兵の人権を譲らなかったのでは?ということです。
海の外も壁の中も同じなんだ
仮にパラディ勢力が、イェレナの反発を無視してマーレ兵の人権を搾取したとします。
するとどうなりますか?
マーレ兵たちにとって、パラディ島のエルディア人たちは悪魔のままですよね。
でも実際、イェレナの主張によってパラディ勢力はマーレ兵の人権を守るよう判断しました。
マーレ兵たちにとって、パラディ島のエルディア人たちは悪魔でしょうか。
もちろん軋轢はありますし、不穏な動きがありそうにも見えます。
しかしマーレ兵の中から、悪の末裔の死に涙する者まで出てきたこともまた事実です↓
「進撃の巨人」107話より
つまり何が言いたいのかというと、イェレナは「パラディも我々も同じなのだ」という価値観を、できるだけ多くのマーレ兵に持たせたいのではないかということです。
かつてのライナーやエレンのように↓
「進撃の巨人」100話より
壁内勢力と壁外勢力をつなぐ人間
「エレンとジークは、巨人なき世界を作ろうとしているのではないか」
かねてから私はそう考察しています。
過去記事にも書きました↓
もしこの考察が当たっていれば、壁内勢力と壁外勢力をつなぐ役割の人間ができるだけ多く必要になります。
私はそれが、ニコロたちマーレ兵やファルコ&ガビではないかと思っています。
さらに以前のエルディア帝国とも異なる、新しい世界秩序が出来上がることにもなります。
そしてこれこそが、イェレナの言う「世界は生まれ変わる」ではないかと考えています。
「進撃の巨人」110話より
つまり新しい世界秩序の実現のために、マーレ兵の人権を守ることが必要なのではないかということです。
ちなみに↑のシーン、ちょっと違和感ありませんか?
というのもイェレナって、ジークの考えに賛同しているんですよね。
で、そのジークはエルディアの復権を唱えているわけです。
エルディア帝国が復活したところで、元の時代に戻ることはあっても「世界が生まれ変わる」とは言えませんよね(まあ微妙なとこですが)。
それにジークの計画は、何十年という長期的なものだったし。
ということは、イェレナがいくら「彼らの近くで見ていたい」と言っても、肝心の彼らはそのころにはもういないですよね。
まあもっともイェレナが、どれだけのものをジークと共有しているのかはまだ分かりませんが。
でも少なくともある程度は共有していると思っているんですけど、どうなんでしょうね。