【111話の考察】イェーガー派がザックレーを殺した真の理由が分かった
イェーガー派がザックレー総統を殺した真の理由が分かった……いや、それは言い過ぎですね。
正確には「イェーガー派がザックレー総統を殺した真の理由が分かった(かもしれない)」ので、書いておこうと思った次第です。
答えは2つ。
1つは、「エレンがエルディア国の主導権を握り、兵団組織を粛清しようとしている」と、みんなに思い込ませるため。
もう1つは、総統をピクシスにするため。
ということで、具体的に書いていきます。
粛清を思い込ませることが目的
ハンジはイェーガー派の目的をこう分析しています。
「エレンを中心とした兵団組織への粛清。総統の殺害は彼らの強い覚悟を示している」↓
「進撃の巨人」111話より
しかし、これはちょっとおかしい。
だってトップとしては、ザックレーよりピクシスの方が優れていますよね。
少なくとも決断力は、ピクシスの方が上でしょう。
アルミンが言うように、ザックレーがいなくなったらピクシスしかいないことは誰の目から見ても明らかでした↓
「進撃の巨人」111話より
ということは、エレンが本当に主導権を握りたいなら、ザックレーを生かしておいた方が良い。
それにピクシスは、粛清をやすやす見過ごすキャラではないですよね。どう考えても。
ということは、エレンの兵団組織への粛清はより難しくなる。
つまり「ハンジの分析は間違っているんじゃない?」というのが、私の考察です。
そしてむしろ「ハンジ(やみんな)にそう分析させることこそが目的なんじゃない?」というのが、私の主張です。
トップをピクシス司令にしたかった
兵団は貴重な時間をただただ浪費していました↓
「進撃の巨人」111話より
これは、今の上層部では歩を進める決断ができないことをあらわしています。
また今の兵団組織では、調査兵団が意思決定の中心からハブられるケースもあるようです。
実際「エレンから始祖の巨人を移す」という重要な計画が、調査兵団に知らされることはありませんでした。
以前にも書いたとおり、エレン(とジーク)は最終的に全ての悪を引き受ける気でいると、私は思っています。
そうすることで、大事な仲間も守ることができると↓
もしそうであれば、調査兵団を意思決定の中心にもってきた方が良いでしょう。
憲兵団と違って、彼らは自己保身に走らない。
これまでの物語を見ても、少なくとも調査兵団幹部は名実ともに心臓を捧げている人間ばかりです。
エレンが悪として振る舞えば振る舞うほど、エレンと対峙する(あるいは止める)姿勢をとる可能性が高い。
そこでピクシス司令ではないか、と私は思うわけです(まあ彼は調査兵団ではありませんが)。
ピクシスは決断ができる人間です。
そして、調査兵団の意をくみとれる人間でもあります。
さっきも書いたとおり、ザックレーが死ねばピクシスがトップにつくことは明らかでした。
つまりエレンは、自分が悪として振る舞ったときに「悪に服従しない人間」「自己保身に走らず、悪と立ち向かえる人間」を意思決定の中心に置きたかったのではないか、と私は思うわけです。
「安かろう」ではなくなるとき
ピクシスは唇をかみしめ、「安かろう」と言いました↓
「進撃の巨人」111話より
ザックレーの死だけであれば、確かに「安かろう」かもしれません。
しかしそこに、憲兵団の幹部全員が加わったらどうですか↓
「進撃の巨人」111話より
当然、安くはなくなるでしょう。
壁内のユミルの民たちも今はエレン支持ですが、その希望を絶望に変えるのは難しい話ではありません。
自己保身に走らないピクシスなら、殺し合いも覚悟する可能性があるのではないでしょうか。
もしそうなればエレンとジークは壁外だけではなく、壁内からも憎まれる存在になるワケです。
文字どおり、世界中から憎まれる悪になる。
これこそが、エレンとジークの真の狙いなのではないでしょうか。