ヒストリアの子供が「ユミル」である理由
まず。
今回の記事も前回同様、ニャサシンさんのコメントに影響を受けて書きました
(ニャサシンさん、今回もありがとうございます)。
この部分ですね↓
ヒストリアの子供は女の子の可能性が高く、名前はユミルとなるでしょう。
で。
私がニャサシンさんのコメントから考察した内容は、ギュッとまとめるとこうです↓
- 進撃の巨人は、過去の罪や憎しみを背負わされた子供たちを、使命(呪い)から解放する物語。
- その象徴が少女ユミル・フリッツ。
- つまり彼女を使命(呪い)から解放することが、物語の結末。
- ユミル・フリッツが使命(呪い)から解放されたことの象徴が、最終コマとされる「生まれたときから自由な子供」。
ということで、具体的に書いていきたいと思います。
使命(呪い)から自由になったユミル
進撃の巨人は、過去の罪や憎しみを背負わされた子供たちを、使命(呪い)から解放する物語でもあります。
このメッセージは色んな形で描写されていますが、特にサシャ父の↓のセリフから明らかです。
「進撃の巨人」111話より
ジーク、クリスタ、アニ、ファルコ……実に多くの登場人物が、幼いころより使命(呪い)を背負わされてきました。
そんな中、使命(呪い)から解放され自由になった象徴として描かれている人物がいます。
ユミル(ユミル・フリッツではなく、104期の方)です。
ユミルは無垢の巨人から人間に戻り、第二の人生を得ることができました。
始祖ユミルを演じ続ける使命(呪い)から自由になったのです。
そしてユミルの思いは、死に場所を探していたクリスタ(ヒストリア)に伝わり、ヒストリアから「オレはいらなかった」と泣くエレンに伝わりました。
「進撃の巨人」41話より
「進撃の巨人」65話より
ユミル・フリッツ=使命(呪い)を背負わされた子供の象徴
最新115話の少女は、おそらくユミル・フリッツでしょう。
(もちろん確定ではありませんが、本記事ではユミル・フリッツという前提で話を進めます)
「進撃の巨人」115話より
ユミル・フリッツは土をこねて、ジークの体を作りました。
おそらく彼女は、ただひたすら土をこねて巨人(ユミルの民)の体を作り続けているのでしょう。ジークに限らず。
そしてそれが、子供であるユミル・フリッツが背負い続けている使命(呪い)なのだと思います。
そう。
つまり始祖ユミル・フリッツこそが、「過去の罪や憎しみを背負わされた子供」の象徴ではないかと私は思うワケです。
そして象徴であるユミル・フリッツを、使命(呪い)から自由にすることが「進撃の巨人」という物語の結末なのではないかと。
「ユミル・フリッツを、使命(呪い)から解放する」というのは、「ユミル・フリッツはもう、道を通じて巨人を形成する血や骨を作り続けなくてもよい」ということです。
つまりそれは、道がなくなるということです。
巨人の体が再生しなくなるということです。
ユミルの民が、いわゆる「普通」の人間になるということです。
そしてこれは、「ユミルの民の体の構造を変える」という始祖の力によって実現されるのではないかと、私は思います。
いやもしかしたら、「もともとの普通の身体構造に戻す」ことなのかもしれません。
こうしてユミル・フリッツは使命(呪い)から解放され、それは同時にユミルの民(エルディア人)の呪いが解放されることにもなります。
そしてこれが、エレンの狙いではないかと私は推察しています。
自由になったユミル・フリッツ
先ほど↑で書いた私の推察が正しければ、最終コマ(と噂されているもの)の意味が明確になります。
この(↓)子供と「お前は自由だ」のセリフが、ユミル・フリッツ、そしてひいては全てのユミルの民の自由を表すことになるからです。
「情熱大陸」より
だからこの子供は、自由になったユミルとも言えますし、第一話のタイトル「二千年後の君へ」につながるのではないかと私は思うワケです。
ニャサシンさんは、ヒストリアの子供ならユミルと名付けるだろうと書かれました。
しかし私としては、実際に名付けるというところには少し懐疑的でした。
名付けることは、ユミルを背負わせることにもなるんじゃないかという思いもありましたし。
ただこの記事を書きながら、「可能性は高いかも」と感じるようになりました。
私の推察が正しいのなら、ユミルはこのときすでに「使命(呪い)を帯びていない名前」になったということになるからです。
つまりヒストリアは、私たちが普通にそうしているように、子に自分が大好きだった親友の名を付けて良いということになります。
さらに。
もしこの子の名がユミルであれば、進撃の巨人は「3人のユミルの物語」にもなります。
ユミルという名は、使命を背負い続けたユミル・フリッツから、第二の人生を得て自由になったユミルを経由し、生まれたときから自由であるユミルへと引き継がれることにもなるのです。
最後に
この記事を書きながら、昔書いた記事を思い出しました↓
2年前に書いた記事なので、ズレているところもあります。
ただこの時期に書いたものとしては、我ながらなかなかいい線いってるなと思ったので、最後のオマケとして載せさせてください。