進撃の巨人の全体像を考察する【始祖ユミルの視点で】
最新131話。
私にとっては、主に始祖ユミルの視点から進撃の世界を考察し直したい回でもありました。
始祖ユミルは言葉を発していないこともあって、その心情を推し量るのは難しい。
でもそろそろ、推測ができるような条件はそろってきたのではないかと感じたわけです。
ということで今回もツイッターで書き散らしたものを整理する形で、現段階の考察をまとめてみたいと思います。
【目次】
死の間際の始祖ユミルの心情
※そもそも始祖ユミルは死んでいるのかという疑問もありますが、とりあえず「死」と表現しておきます。
始祖ユミルの自殺(?)時の心情は、104期ユミルと同じ。
— エドノポー@進撃の巨人ネタバレ考察マガジン (@edonopoh) August 13, 2020
始祖ユミルの心情ははっきりとは描かれていない。
しかしその心情は、始祖ユミルを「演じ続けた」104期ユミルによってはっきりと知ることができる(と私は思っている)。#進撃の巨人 #考察 pic.twitter.com/iOaHBe3MfL
始祖ユミルを演じていたのは104期ユミルだけではない。
— エドノポー@進撃の巨人ネタバレ考察マガジン (@edonopoh) September 1, 2020
クリスタもそう。
そして彼女もまた生まれてこなければ良かったと。
存在するだけで周囲(幼いクリスタにとっては世界そのもの)から憎まれていたと。
女神クリスタ様として死のうと。
それを見つけたのが104期ユミル。#進撃の巨人 #考察 https://t.co/hPVu7j6RMD pic.twitter.com/JeimSlCgvH
↑のとおりですね。
始祖ユミルの死の間際の心情。
これは直接的には表現されていません。
でもそれは始祖ユミルを「演じ続けた」104期ユミルによって知ることができる。
始祖ユミルが生きるための役だったヒストリアによっても知ることができる。
もちろん全く同じとは言いませんが、方向性としてはかなり似た思いだったのではないでしょうか。
死後の始祖ユミル
座標=うなじ
この「座標がうなじ」という考え方は、↓の動画の画像がとても分かりやすいです。https://t.co/QJs2Ji76h3
— エドノポー@進撃の巨人ネタバレ考察マガジン (@edonopoh) August 15, 2020
前にも一度、隣のエルディア人さんの考察動画をご紹介させていただきましたが、↑の動画もとても面白かったです。https://t.co/huljVTz4yL pic.twitter.com/GwYHz487sy
これも↑のとおり。
「座標=うなじ」説ですね。
この「座標=うなじ」説から何が考えられるか。
死後の始祖ユミルは、座標という大きなうなじに閉じ込められている状態ではないかということです。
つまりユミルの民1人1人を身体細胞のようにたとえるなら、始祖ユミルはとてつもなく大きな巨人のうなじの中にいるのではないかということです。
奇行種の重要性
「座標がうなじ」でいくと、座標の始祖ユミルは奇行種に近いのではと。
— エドノポー@進撃の巨人ネタバレ考察マガジン (@edonopoh) August 16, 2020
一見「意思を持たぬ奴隷」のようだが、実は持ち続けていた。
二千年間ずっと終わらない悪夢を見てるようだったのでは?104期ユミルのように。
作中に奇行種が度々クローズアップされるのには、そういう理由もあったりしないかな https://t.co/7y9OxcBIQC pic.twitter.com/3FcLb7LE2Y
座標のユミルは、ただ王の命令のみを聞く無垢的な存在だったのか。
少し違うと私は考えます。
始祖ユミルには意思があった。
104期ユミルが死の間際、「もし生まれ変わることができたなら、今度は自分のためだけにいきたい」と心から願ったように。
座標のユミルは無垢というより、奇行種の方がイメージとは近いのだと思います。
ちなみに奇行種と無垢には明確な違いはなく、意思の方向性や強さの問題だと今のところ私は考えています。
ちなみに奇行種と書いていますが、正確には意思の方向性や強さで無垢にも奇行種にもなる場合があるのだと思いますね。
— エドノポー@進撃の巨人ネタバレ考察マガジン (@edonopoh) August 16, 2020
イルゼの手帳の奇行種も、イルゼがユミル似でなければただの無垢と扱われるだろうし。
ダイナ巨人もそうでしょうし。
うなじ(座標)の中の始祖ユミルの心情
座標の始祖ユミルの心情についても、おそらく104期ユミルと重ねて考えることができる。
— エドノポー@進撃の巨人ネタバレ考察マガジン (@edonopoh) August 31, 2020
つまり始祖ユミルは二千年(以上?)もの間、「ずっと終わらない」悪夢を見ている心境だった。
104期ユミルが60年間そうであったように。#進撃の巨人 #考察 https://t.co/hPVu7j6RMD pic.twitter.com/1lp0ZnCPVJ
座標での始祖ユミルの心情。
これも104期ユミルと照らし合わすことができると私は考えます。
つまり始祖ユミルは、二千年もの間「ずっと終わらない」悪夢を見ている心境だったのではということです。
104期ユミルと同じように。
(ちなみにエレンが始祖ユミルに言った「終わらせてやる」には、このような意味も含まれているのではと私は思っています)
知性巨人にも同じことが言える
増えた1枚の花びらが、進撃の巨人。
— エドノポー@進撃の巨人ネタバレ考察マガジン (@edonopoh) October 9, 2019
コレは願い。始祖ユミルの自由への願い。
さながら、104期ユミルの心からの願いのような。
この願いが、二千年をかけてエレンを導いた。#進撃の巨人 #122話 #ネタバレ #考察 https://t.co/shSpjr2TKv pic.twitter.com/9XsU0NYK4d
始祖ユミルの娘たちは、始祖のユミルの肉体を食べました。
これによって、始祖ユミルは肉体的にも意思が残る形となります。
最後に増えた9枚目の花びら。
自由を求める意思。
それが進撃の巨人です。
王の独善
王の独善は2つ。
— エドノポー@進撃の巨人ネタバレ考察マガジン (@edonopoh) August 13, 2020
全ユミルの民の自死と「地鳴らしを含む」永遠の支配。
これを止めるのが進撃の巨人。
前者は止めた。後者も止めるはず。
誰が誰を?
エレンが。自分で(未来の)自分を。
これがエレンの戦い。自由への旅。#進撃の巨人 #予想 #考察 pic.twitter.com/X65s7Tolcx
王の独善は主に2つ。
1つは「我がエルディアがこの世の大地を巨人で支配し続ける」こと。
実際に始祖ユミルは二千年もの間、王の命令に従い巨人を作り続けました。
結果、巨人たちは現生の人類が三度絶滅しても足りないほどの人間を殺したのです。
歴史的には、地鳴らし3回分以上の悲劇がすでに起こってきたという考え方もできるかもしれません。
もう1つの独善は「自死」。
こちらは明確に独善だとグリシャが言っています。
始祖ユミルの自死とレイス王やジークの思想は同じ。自分(達)なんか生まれてこなければ良かったという罪悪感のもと、自分(達)が死ねば終わるという発想。でも始祖ユミルは知っている。終わらない、繰り返すだけだということを。だから自死思想は独善。そのために進撃継承者達はこの記憶に導かれた。 https://t.co/hPVu7j6RMD pic.twitter.com/bIDbLmI7al
— エドノポー@進撃の巨人ネタバレ考察マガジン (@edonopoh) August 13, 2020
「支配」と「自死」。
一見、真逆のようにさえ見えるこの2つの独善はなぜ生まれたのか。
分かりません(笑)
なので適当なことを言いますね。
フリッツ王家には始祖ユミルを奴隷として支配し続けた王の血と、始祖ユミルの血が色濃く入っています(きっと)。
彼の血が生み出す独善が「支配」。
彼女の血が生み出す独善が「自死」。
とか?
ただジークやレイス王なんかは、自分だけでなくユミルの民全員を巻き込む意味での自死ですからね。
「自死」と言っても、そこに「支配」が思いっきり含まれているのは明らかでしょう。
まあ何にせよ、この2つの独善では何も変わりません。
そのことを始祖ユミルは知っているわけです。
繰り返すだけだと。
同じ歴史を。
同じ過ちを。
地鳴らしでは「終わらない」のは、座標のユミルもそうだけど歴史的にもそう。
— エドノポー@進撃の巨人ネタバレ考察マガジン (@edonopoh) August 25, 2020
絶滅3回分でも足りないほどの人類を殺し、敵がいなくなった後起こったのは同族同士の殺し合い(巨人大戦)。
ナオミの言うとおり「世間が狭くなる」だけ。
繰り返すだけ。 https://t.co/e32fRzgabU pic.twitter.com/tJRqDyRPra
でも座標といううなじの中にいる始祖ユミルは、わずかな意思しか表すことができません。
だから二千年も時が過ぎた。
進撃の巨人も同じ。
継承者たちは王の独善に抗い、使命を全うし次の継承者にたすきをつなげてきました。
しかし歴史的に見ればほんのわずかずつの前進だったのでしょう。
それでも少しずつ少しずつ進み続けた。
そしてエレンが生まれたわけです。
歴史上、おそらく初めて始祖と進撃をあわせ持つことになる存在が。
つまり生まれながらの化け物エレンは、自由のバケモノにも支配のバケモノにもなり得るということ。
— エドノポー@進撃の巨人ネタバレ考察マガジン (@edonopoh) August 28, 2020
そしてそのエレンが進撃と始祖という、自由と支配の2つのバケモノの力を手にした。
だからこれは進撃が始祖の独善に抗う戦いであると同時に、エレンの自分との戦いであるとも言える#進撃の巨人 #考察 https://t.co/NxFIV2wgG8 pic.twitter.com/bwnlL5PQGC
↑のツイートのとおり、エレンは生まれながらに「支配」と「自由」の象徴になり得る性格を持った人物だったのだと私は考えます。
そしてエレンの中で支配が勝ち、自由が負けた。
その様子を表したのが、130話~131話の地鳴らしではないかと思うわけです。
始祖ユミルの今
131話の始祖ユミルをどう解釈するか。
— エドノポー@進撃の巨人ネタバレ考察マガジン (@edonopoh) August 17, 2020
奇行種的な意思で、ラムジーたちを「見つけてしまった(もしくは声が聞こえた)」という展開はどうだろ。
104期ユミルと(部分的ではあるものの)同じだし、ラムジーたちが見えないエレンとの対比として見ても面白い気がする。#進撃の巨人考察 #進撃の巨人131話 https://t.co/3tdfOOF7Yc pic.twitter.com/nH5CM4urZU
では現在(最新131話)描かれている始祖ユミルは何か。
何なのでしょうね。
私にとっては不明な点が多いです。
ただ推測するに、先ほどから書いている「奇行種的な意思」なのかなと。
まだ確定してはいませんが、王の命令ではなく始祖ユミルの独断と思われる行動がありますよね。
ある継承者が見たと言った道や、ジークの復活。
それにエレンが感じたという導き。
131話で描かれている始祖ユミルもこれらの行動と同じ。
彼女のわずかな意思がもたらした独断なのでは。
今のところ、私はそう思っています。
で。
おそらくそのわずかな意思を持って、始祖ユミルは1話のエレンに記憶を届けたのではないかなと。
(エレンが自らの意思で決め、始祖ユミルがそれを手伝ったという可能性もあると思います)
エレンは見る。地上の景色を。ラムジーが踏み潰される瞬間を。
— エドノポー@進撃の巨人ネタバレ考察マガジン (@edonopoh) August 13, 2020
おそらく始祖ユミルの視点で。
おそらく1話のうたた寝のときに。#進撃の巨人 #考察 #予想 pic.twitter.com/Kzj3rSGL13
エレンが見えていない景色を。
エレンの自由の力が、自身の支配の力に負けたことを。
エレンの自由は、実は不自由以外の何ものでもなかったということを。
そして地鳴らしの結果、どうなったかということも。
(そこで「いってらっしゃい、エレン」につながるのかな)
130話に描かれているエレンの巨人は、まるで鳥籠に囚われているような姿をしています。
130話のタイトル「人類の夜明け前」には「第1話の前」という意味も含まれているのかも。
— エドノポー@進撃の巨人ネタバレ考察マガジン (@edonopoh) August 21, 2020
つまり130話の始祖の巨人の姿は「鳥籠の中に囚われているエレン」であり、その屈辱を思い出した涙が1話。そして夜が明けた(どこからが始まりだろう)という流れ。#進撃の巨人考察 pic.twitter.com/J9aTgxe9EX
↓の記事でも書いたとおり、私は130話の途中から変化前の記憶が描かれていると感じています。
そういうこともあって、私は思ったわけです。
131話の始祖ユミルは、エレンを導く1つの姿ではないかと。
余談(ブログタイトルを戻しました)
検索順位を考えて変更したタイトル「進撃の巨人 ネタバレ考察マガジン」ですが、順位が上がるどころかいつの間にやらどこにいったか分からないくらい落ちていたので、また元の「「進撃の巨人」の謎が分かった」に戻しました。
まあ名前を変えたから落ちたわけではないでしょうが。
というわけで残り少ない時間になるかと思いますが、今後ともどうぞよろしくお願いいたします。